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JST/JICA:地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)

研究グループ3

人々はどんな街で暮らすとハッピーなのか?

居住者の Quality of Life による都市政策マルチスケール評価システム

メンバー一覧

日本サイド

岩堀 祐之

グループリーダー

中部大学 工学部 教授

林 良嗣

プロジェクトリーダー

中部大学 最先端研究センター 教授

杉山 郁夫

大阪大学大学院 工学研究科 客員教授
神戸情報大学院 特任教授

福井 真二

愛知教育大学 准教授

竹下 博之

中部大学 特定講師

Achariyaviriya Witsarut

中部大学 博士後期課程

タイサイド

Boonserm Kijsirikul

グループリーダー

Chulalongkorn University  Professor

Pittipol Kantavat

Chulalongkorn University  Researcher

概要

 スマート都市交通統合戦略の策定のために、戦略案を比較するQOL評価システムを構築します。居住者の年齢や性別、所得等に応じた価値観、すなわちQOLの要因間の重みの違いをアンケートや各種データ等により把握し、交通手段、通勤経路、運賃、スマートカードへのポイント付与などの政策の違いによるQOLを時系列で評価するシステムを構築します。また、他グループでの提案やデータと統合し、QOL評価システムを用いてスマート交通統合戦略を検討するための方法と枠組み、システムの構築を行います。

研究実施項目

1.人々の評価基準及び評価手法の検討

 人々が交通環境や居住環境から感じる「生活の質」(QOL: Quality of Life)の評価方法について既往研究等から検証し、QOLの評価指標、評価基準および評価手法を検討します。

2.住民の生活価値観に関するアンケート調査の実施

 上記の評価手法に基づき、人々がどのような生活環境要素をどの程度好むかを把握する生活価値観アンケート調査を現地で実施します。

3.経済成長に伴う価値観変化予測・分析

 研究代表者がこれまでにドイツ、シンガポールや日本で実施してきたアンケート調査との比較に基づき、今後バンコクにおいてどのような価値観の変化が生まれるかを予測・分析します。

4.交通環境・居住環境を中心とした生活の質(QOL)評価の検証

 QOL評価手法の構築を行うとともに、現在のバンコクおよび提案するスマート交通統合戦略が実現した場合の地区ごと、居住者ごとのQOL評価を実施します。地区ごとの評価では、生活の質を都市全域で500mメッシュの高解像度で評価を行い、居住者とメッシュを組み合わせた単位でQOLを算定し、公平性・包摂性(Inclusiveness)を分析します。また、居住者個人に着目した評価では、個人それぞれの生活時間に着目し、1日の「いつ」「どのような行動で」QOLが向上、または低下するかを分析します。

5.スマート交通統合戦略手法の提案

 他グループで構築したデータ収集システム、政策立案ガイドラインと、本グループで開発するQOL評価システムを組み合わせ、データ取得から政策立案、マクロからミクロまで、ハードとソフトをシームレスに統合し戦略化する政策立案手法「スマート交通統合戦略手法」を、ガイドラインおよび実際に実務者が活用できる政策ツールとして提案します。