日本サイド
紀伊雅敦
グループリーダー
香川大学 創造工学部 教授
タイサイド
Varameth Vichiensan
グループリーダー
Kasetsart University Assistant Professor
グループ1はリープフロッグ型都市デザインに関する研究を行います。かつて先進国が辿ったような経済成長過程で、環境負荷増大、生活の質低下を招かず、持続可能な経済成熟期へと至る交通と土地利用を統合的にデザインする都市戦略が求められますが、従来型の需要追随型の交通計画論では評価が困難です。そこで、道路整備シナリオとトランスモーダルシナリオを比較し、それが都市構造と人々の生活に及ぼす長期的な影響を分析し、都市・コミュニティにおける環境持続性、包摂性等、SDGs の達成の道筋を示すことを目的とします。
この目標達成のため、本研究では移動パスを推計するマイクロシミュレーション技術を活用します。それには、世帯レベルのマイクロデータをはじめ、空間的にも、行動属性的にも、詳細なデータが必要とされますが、現地の協力機関およびグループ4と協力し、必要なデータを収集します。新たなデータベースを構築すると共に、データ制約下で利用可能とするためのモデル改良を行います。併せて、モデル検証のために均衡型土地利用交通モデルも開発し、頑健な結果を得られる分析の枠組みを構築します。そして、最終的には上記のプロセスをまとめたガイドラインの作成を行います。
バンコク都市圏の立地および交通の現状を把握します。特に経済成長に伴う自動車保有状況の変化と都市部の拡大の状況に注目し、その傾向を捉えます。そして、バンコク都市圏における将来の課題をまとめます。
統計情報から利用可能なデータセットをリストアップし、土地利用および交通に関するマイクロシミュレーションモデルへのインプットデータとして、公開を行います。また、グループ4と協働し、現状整備されていないマイクロデータの整備を行います。
BMAやMOTなどの行政機関との対話を通じて、Thailand4.0に向けた都市交通政策およびその研究の必要性を探ります。特に、鉄道駅周辺でのTOD(Transit Orient Development)等の交通と土地利用に跨る情報を収集します。
リープフロッグ型都市戦略を評価するために、従来の需要追従型の評価ではなく、交通および土地利用の持続可能性を評価しうるマイクロシミュレーションモデルを構築します。収集・整備した土地利用や交通データを、交通マイクロシミュレーションモデルMATSimに反映させます。
リープフロッグ型都市戦略に基づく、土地利用と交通機関のデザインシナリオを作成し、グループ3が考案する市民の行動変容シナリオを用い、立地選択と交通行動への影響をシミュレーションします。
バンコク都市圏の土地利用および交通デザインのための、デザインツールの開発およびそのガイドラインの作成を行います。