2021年2月9日、プロジェクトの第3回合同調整委員会(JCC: Joint Coordinating Committee)がバンコクと日本をWeb会議システムで繋ぎ開催されました。JCCとは、日本側と相手国側の関係者から構成される委員会であり、プロジェクトの進捗状況や実施上の問題点を協議し解決策を図る、原則年1回は開催される重要な会議です。JCC会議は2部構成で行われ、第1部はタイ側の都市交通関連省庁、バンコク都庁の交通行政に関わる各局など25名を招待し、プロジェクトの概要、これまでの進捗、今後の展望をプロジェクトメンバーが発表しました。第2部は、プロジェクトメンバー36名が2021年度の活動計画、課題と対策を協議しました。前半の科学的な成果発表について、JST環境・エネルギー分野(低炭素社会・エネルギー)の神本正之・研究主幹より、 プロジェクトが目指している市民の生活の質(QOL)向上と低炭素社会を同時に実現する、人々を中心に置いたビジョンの独自性について賞賛のコメントをいただきました。一方で、QOL評価方法など、より精緻な研究への期待と国際共同研究の成功へ向け、タイ側と日本側研究者間のより一層コミュニケーションをとることが重要である点、指摘いただきました。続いて、タイ側の援助窓口機関である外務省タイ国際開発協力機構(TICA)のMs. Arunee Hiam局長から、プロジェクト目標である「スマート交通戦略」をバンコク市民へ届けるためにも、科学的成果をどうやって具現化するか、今後プロジェクトが政策関係者へ説明し巻き込む活動が重要である、とコメントいただきました。JCC後半では、2021年活動計画に合意したプロジェクトメンバーは、コミュニケーション改善に向けた研究グループ定例会議と半年に一度のプログレスミーティング実施についても合意しました。最後に、森田隆博JICAタイ事務所長より、コロナ対策で多くの行動制限がある中、バンコクでは自家用車利用が増加する傾向がある調査結果を紹介しつつ、本プロジェクトの成果は益々重要になっていきていると指摘されました。また、プロジェクト期間の後半に向け、成果の発信、コミュニケーションと協調が重要であることを強調してJCC会議を閉めました。